伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』

三好銀とクロード・シモンの新刊がとうとう出たようだけど、今月はもうそこにまわせる金子がねえです。財布すっからかんだ。煙草や缶コーヒー買うにも難儀してて、灰皿にたまったシケモクを漁るという、あさましさのかぎりをつくす惨状が、いまわたしを襲っ…

ミシェル・フーコー「これはパイプではない」

iBooks Authorというアップルの提供する新しいサービスが話題になっている。電子書籍を個人レヴェルでかんたんに制作できる支援サービスらしく……おもしろそうだよね。うん。……あれ? 書き始めたはいいがさっそくことばにつまったよ。IT関連の最新情報にもち…

高野文子「絶対安全剃刀」/「ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事」

今週は高野文子の作品を二点ほど手に入れた。いっこはおととしの「こどものとも年少版」に掲載された絵本作品で、出た当時手に入れそこなってこれまで現物を見たことがなかった「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」を古書で。もういっこは「母の友…

高野文子「ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事」

年が明けたわけだけど身の周りの何かが特にがらっと変化したわけじゃない。外出なんかもほとんどしなかったし、いつもどおりの週日をおおむね休暇として過ごしただけだった。すでにおとといから仕事も始まってるし、なおさら平常どおりの週末という感じだ。…

あっ!やせいのほんだなが とびだしてきた!

せっかく大晦日に更新することだし、今年を振り返って『わたしの読んだ今年の本ベスト10』とか『わたしを喜ばせた今年の音盤トップ10』みたいな記事を書いてみたかったんだけど、そういうのっていうのは一年通してちゃんと本とかマンガ読んでCD聴いてた人じ…

喉をすっきりさせてくれ、あるいは、「俺に叫ばせろ!」

今週は荒木飛呂彦の「ジョジョリオン」の1巻と西尾維新のジョジョ小説を読んだ。来年はジョジョ25周年らしく、いろいろと盛り上がってるみたいだ(小説の方読み終えたらディオ関連のことをちょっと確認したくなって6部をぱらぱらと流し読みしてたら、例のケ…

高野文子「うらがえしの黒い猫」

「スティールボールラン」に登場したヴァレンタイン大統領のスタンドがD4Cって名前で、そういや元ネタになってるAC/DCの楽曲を聴いたことないなって気づいた。そもそもAC/DCってバンドじたいが名前をかろうじて知ってるくらいで演奏を聴いたこともない。むか…

高野文子「春ノ波止場デ生マレタ鳥ハ」

今週はマンガと本を何冊かずつ購入した。『第七女子会彷徨』の3巻と『よつばと!』の新しいやつ、それから、松本大洋の新しい連載が始まってたのぜんぜん知らなかったんだけどその『Sunny』ってやつの1巻、マンガはこの3冊を。松本大洋の作品、これまで読…

高野文子「病気になったトモコさん」

80枚を越えたくらいまで進んだところで文章の方はペースダウンした。途中、ドゥルーズの説くセリー技法のおさらいに「意味の論理学」を少しだけ読み直したり、「カフカ」をもう一度頭から読んでみたり。搭載してる頭の中のメモリの容量が低いからか、ひと…

高野文子「方南町経由新宿駅西口京王百貨店前行」/「奥村さんのお茄子」

マンガの評論を書くのはぼちぼちとつづいている。仕事が終わったあとの日課になってる。先日、治りかけてたかさぶたを剥がしてしまってそこんところがきゅっと痛い。我慢して文章を書く。蜘蛛の巣を作るみたいにして一本ずつひいこら言いながら織りあげてい…

顔をうつむけて歩きながら、小走りになりそうな自分の足を抑えとどめる。そのことに頑張って努力をしているひとを見たときには、昂然と顔を上げろ、まっすぐ前を見て、ゆっくり堂々と歩け、と声をかけたい。平然としてりゃいい。そう思うよ。

高野文子「ウェイクフィールド」

「モンキービジネス」の最終号に掲載されてる高野文子の「ウェイクフィールド」。原作はナサニエル・ホーソーン。掲載誌が休刊してしまったということは、連載のほうも今回で最後なんだろか。最後なんだろう。毎回毎回とても変わった試みをしていてすごく刺…

「田辺のつる」

マンガ描くのも一段落ついて最近はまた暇になった。暇と言えばいつだって暇な人生なんだけど、ここ数ヶ月のような能動的に行う楽しい務めのようなものがなくなってしまったという意味で、暇オブザ暇みたいになった。今月に入って買ったメビウスの『アンカル…

完成

3ヶ月かかってようやく自分のコピー本ができあがったよ。コピー(模倣、複写)が主題となっているゴーゴリの原作の上にさらにマンガによる自分のコピーを重ねるというコピコピな感じの出来になった。最終的にはマンガの30ページにレビューの28ページで、…

市川春子『25時のバカンス』

市川春子『25時のバカンス』 市川春子の新しい作品集。ここ1,2年に描かれた中短篇三作が収録されてる。最近自分でもマンガを描いていたからだろうけど、これは読んでいて、明らかに今自分が嫉妬してしまっているってことを感じさせずにはおかないくらいに…

コミスタ10日目

本の表紙にする絵と扉絵が描けた。(「扉絵」っていうのかしら、表紙と本文のあいだにある最初の方のあのオマケみたいなページ。正式にはなんて名称なのかはわかんない)。名前おもっくそバレとーるけど、まあぜんぜん問題ない。いちおう検索かけてリアルにつ…

あいかわらずマンガ作りは続いている。ペン入れからベタに仕上げと、アナログでの作業に結局20日以上かかって、ようやくコミックスタジオでの作業が昨日から始まった。ペン入れにはほんと参った。とにかく線がまともに引けない。力んじゃって直線一本まっ…

下書き30日目

最終30ページ目に手をつけたところまで。 最後のページは大きめのコマにペテルブルクの町の風景を鳥瞰図風に描くつもりなんで、物語は前のページまででいちおう描き終えた。 29ページでは半ページ分ほど使った大きめのコマでの描写を試みてみた。A4サ…

下書き29日目

28ページ目を終えて29ページ目の半分すぎたくらいまで。 くしゃみをする幽霊っていうのもおもしろい。ロシア人と日本人とでは幽霊というものに対する感覚が違うんだろうか。それともロシアのゴーゴリ読者もこのあたりの間が抜けた感じで笑ってしまうんだ…

下書き28日目

26ページ目を終えて、27ページ目の半分すぎたとこまで。 休日で5時間以上は原稿に向かえたんだけど、しょうみ1ページ分くらいの進捗。毎日のように絵が描けないはなしをしてるんだけど、今日はたんじゅんに、描かなきゃならない線が多すぎて作業がはか…

下書き27日目

26ページ目の途中まで。実質5コマだけ。ぜんぜん進まなかった。 まずネームの手直しを始めたらこれがけっこう手間をくってしまった。あとにひかえてるシーンも少なくってきたんでネームの直しも楽になったろうと、計28ページの作品をプラス2ページで3…

下書き26日目

25ページ目一コマ残し。運河沿いの夜道に人が歩いている、というそれだけの構図が描けずに、そのコマだけ残ってしまった。建物とか風景はほんとに描くのに困る。 白いままの原稿用紙を見ていてもだめなんだけど、枠線を引いてコマをじっさいに配置してみる…

下書き25日目

24ページ目終了。 アカーキイが亡くなる場面。病に臥してから臨終まで4コマでかたづける。あっというまに逝ってしまわれた。墓地に埋葬されたことを示唆する絵を描いてみたけど、これなんかは数ある手直し候補の絵の中のさいたるもののひとつだ(ほかにも…

下書き24日目

23ページ目を終えたところまで。4コマ分しか描けなかった。 晩飯の前にすこし眠ったら、これが寝すぎてしまった。平日は細かい時間を寄せ集めて、だいたい毎日平均3時間は原稿にむかってるんだけど、今日は仮眠に失敗して2時間くらいしか描けなかった。…

下書き23日目

22ページ終了、23ページの3コマ目まで。なにか進行のペースがとても低い水準で安定してきてしまってる気がする。まあいいけど。 アカーキイが有力者のもとから追い出されて、吹雪の夜道をさまよいだす場面。魚眼レンズと広角レンズがまざってしまったよ…

下書き22日目

21ページ目が終わって22ページ目の3コマ目まで。正味1ページ分進まず。 描くのにやたら時間がかかるけど、やっと描き終えてできあがった絵をあらためて眺めてみると、なんでこの程度の絵を描くのにこんなに手間がかかってしまうのかと頭を抱えてしまう…

下書き21日目

20ページ目を終えて21ページ目のちょうど半分まで。 アカーキイが「有力な人物」のもとに相談しにいくという場面がつづいている。このあたりはどうしてもセリフが多くなってしまっている。2ページで24コマという明らかに割りすぎのコマ数に、セリフの…

下書き20日目

19ページ目を終えて20ページの3コマ目まで。休日だったけどたいしてはかどらなかった。 平日は時間がなくて原稿が進まないんだけど、休みは休みで、できた余裕が別の興味やなんかにまわってしまって、けっきょくどっちにしてもたいして進行のペースに差…

下書き19日目

18ページ目1コマ残し。 警察署の外観がどんなようすなのか思い浮かばず終了。建物のデザインなんかはでっちあげ上等の気がまえで描いてるんだけど、にしたってある程度の「らしさ」はやっぱりほしい。どうしようか。明日の宿題だ。 今日はアカーキイの下…

下書き18日目

17ページ目終了。 雪の背景に人物のロングショットという構図を多用しているために、絵を描いていてもあんまりおもしろくないうえに、あまりに絵づらが単調で不安になってくる。カンテラとか街灯の明かりをさしこませてトーンとベタで表情をつけていくつも…