批評

伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』

三好銀とクロード・シモンの新刊がとうとう出たようだけど、今月はもうそこにまわせる金子がねえです。財布すっからかんだ。煙草や缶コーヒー買うにも難儀してて、灰皿にたまったシケモクを漁るという、あさましさのかぎりをつくす惨状が、いまわたしを襲っ…

ミシェル・フーコー『レーモン・ルーセル』

立て続けに二回繰り返して読んでみたんだけど、結局難しすぎて議論に追いついていけなかった。ただ、理解できた範囲にかぎってもこの本はめちゃくちゃ刺激的だし、文学を読むフーコーはやっぱりとんでもなく凄い。原著に当たっているかどうか、原語に通じて…

残雪『魂の城 カフカ解読』

カフカの長編3作と短篇13本を論じた評論集。ドゥルーズとガタリのカフカ論がテマティズム的な手法を駆使して、ある作品がひとつの作品となる以前の、その作品のマテリアルとなるような原基の諸構成部品を発見して再組み立てすることにより、ある作品がひ…

すが秀実『詩的モダニティの舞台』

詩というものを何ひとつまともに読んだことがないし、ましてや詩の歴史や「詩概念」(ポエジー)というものについては今まで考えを巡らせたことすらなかったけれど、この本は刺激的でとてもおもしろかった。すが秀実の著作は『探偵のクリティック』以降のもの…