2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャン・ルイ・シェフェール『映画を見に行く普通の男』

ドゥルーズの『シネマ(時間イメージ)』のなかで何度か言及されていて気になっていた著者の本の、丹谷生貴志による翻訳。これは本当に素晴らしい本だった。なにか、今ここで一冊の完璧な書物を読んでしまったというような読後のこの感覚がものすごい。完璧な…

ディディ=ユベルマン『時間の前で』

半年くらい前に読んだ『イメージの前で』につづいて、二冊目のディディ=ユベルマンの著作(情けないことに『イメージの前で』の細かな内容は、論旨のおおまかなニュアンスを除いてあらかた記憶から消えてなくなった)。しかしこの本もやっぱりとてもおもしろ…

松田青子「スタッキング可能」

『早稲田文学5号』に掲載されてる松田青子さんの中篇「スタッキング可能」を読んだ。(読んだんだけど、この作品で描かれてるような真っ当ないわゆる「会社勤め」の経験がないために、最初に目を通したときすぐに「これは自分にはまったく関係のない世界のは…