2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スタンダール『パルムの僧院』

『赤と黒』はちょうど2年前に読んでいる。物語の細かい脈絡はすっかり忘れてしまっていて情けないんだけど、当時控えておいた感想を読み直してみたら、『間男の父親をもつ息子が自分じしんも間男として女の前に現われて、おそらく(事実ではなく権利問題とし…

ウラジーミル・ソローキン「青脂」

クロード・シモンの「農耕詩」といっしょに『早稲田文学3号』に掲載されてた作品で、こちらもテキスト全体の約3分の1ほどの部分的な訳出とのこと。ソローキンってはじめて読んだ作家だったけど(名前を聞いたこともなかった)、これは面食らった。そしてけ…

クロード・シモン「農耕詩 I」

『早稲田文学3号』に掲載のクロード・シモン『農耕詩』の第一章。これは凄い文章だった。圧倒された。エクリチュールのうえで何かたいへんなことが起っていることは感じるんだけど、厳密にはよく分からない。悔しいけど、何が凄いのかもよく分からない。同…

市川春子『虫と歌 市川春子作品集』

まったく知らない作者だったんだけど、最近ちらほらと評判を聞いて気になっていて、ものは試しと単行本を買って読んでみたら、これが抜群におもしろかった。なるほど、これは世間がほっとくわけないな、と納得した。4本の短篇が収録されてる作品集だけど、…