小冊子完成

 すごく薄い本ができたよ。文字どおりの薄い本だよ。

 中身はもうさらさなくていいでしょう。人物の服やなんかに表紙同様のトーンをぽつぽつ散らせてるだけで、これまで過程を見せてきた原稿の状態と基本的にパッと見の印象以外の大きな違いはない。何よりこれ以上の恥の上塗りは勘弁願いたい。いずれもう少しましな絵が描けるようになったらいやってほど披露してやるぜ。……(赤ちゃんのお肌にもやさしい弱酸性のボディソープでキレイキレイに)「首を洗って待っていろ!」。
 昼過ぎから作業を始めて、原稿読み込み→A4サイズの原稿をB5に縮小→コミスタトーン貼り→画像ファイルとして生成→あらためてA4の原稿を新規作成し、その1ページ上に、製本を見越して割り付けたページ順序で、さっきの画像ファイルB5原稿2ページ分を90度横に倒してコピペ→印刷→製本(ホッチキスでとめる)、とこういう流れでチャッチャカこなした。製本に関しても、制作した部数は4部だけだし、使う紙の枚数も1部につきたかだか2枚に過ぎないから、あっという間に終わった。
 なんだかんだで5ページの冊子を作るのに10日近くもかかってしまったわけけど、すごく楽しかった。お金なんてもろもろ初期費用は別として、基本いっさい出費がなくこんだけ楽しめてうんと頭を悩ませることができた。とてもリーズナブルな楽しみだし、なにより自分の能力を上回る難しいことに挑むことができるってとこがいい。難しいだけじゃなく、努力すればそれだけの結果もいちおう出るわけだから(薄い本だけどな!)、たとえ今回は挫折することがあったとしたって、その経験はその場で(たんに娯楽か気晴らし、憂さ晴らしみたいに)消費して、または発散して終わりなんてことはけっしてなく、次の経験があればきっともう一度、異なる姿でではあれ繰り返し現われてくれるだろうと期待できる。要するにこれは、自分が生きているかぎりは、実態としてそれを行っていなときにすら潜在的にずっと体の下の方で持続しつづけてくれる、そんなタイプの喜ばしくも悩ましい課題であるだろうと、そんな風に考える。
 なんせ楽しかった。夏休みだしそろそろ姪っ子たちにも会えるだろうから、彼女たちにこれを貰ってもらおうと考えている。(……そういや去年描いた「外套」のマンガはキャラクターの絵柄で軽く引かれてしまい、結局持って帰ってくれなかったのだった。今年はリベンジだな! この薄い本でな!)。