下書き16日目


 15ページ目まで。わりあいサクサク筆が進んだのは雪の夜道の場景が大半だったからで、下書きの段階で描きこまなきゃならない線があまりないから。この後のトーンとベタで頭を悩ますことになるだろう。
 アカーキイがコートを着こんで部屋を出ていくまでの一連の動作を、高野文子の表現をまねた手法で描いてみた。やってみたけど、まあむずかしいよね。わかっちゃいたけど、あんなになめらかにわかりやすく的確に動作を描いてみせるのはやっぱりすごいことだと実感できた(今出てる「真夜中」に掲載されてる作品の、あの盆踊りの描写とかもめちゃくちゃおもしろいし、すごい)。
 ひとつのコマでアカーキイの動きを5つに割って追いかけてみたんだけど、各動作のあいだにもう一つずつくらいは描写を増やしたほうがいいのかもしれない。すると当然線が混みいることになるから、タッチの強弱とか省くところはだいたんに省くかして、動きの連続性と見た目のわかりやすさを両立させなければならない。
 OK、うん、無理っぽいぜ。