下書き11日目


 10ページ目終わらず。二コマ残し。
 新しい外套の生地選びから完成までの経過を一ページ使って描く作業。仕立て屋のゴリラをフューチャーした俺得ページ。「コマンドー」のシュワちゃんが、ざっ、ざっ、ざってテンポで武装していくあのかっこいいシーンをちょっと意識してみた。(ちなみに映画でマネしたい場面としてはほかにも、「コブラ」のスタローンの、グローブをしたままピザを鷲づかみでムシャムシャ食うあの場面なんかも描いてみたい。手袋ベッタベタやないか!みたいなノリを再現してみたい)。
 ゴリラの親方の登場シーンはこれにて終了。設定画でノートにささっと描いたゴリラがいちばんうまく描けていて、下書きするうちにちょっとづつこれじゃない感が出てきてしまって、最後まで修正できなかった。そこは心残りなところ。おれの心眼が見ているゴリラは実際こんなものじゃすまないぜ、ってことは言っておきたい。あと、ゴーゴリの原作にはゴリラなんていっさい出てこないことはロシア文学の名誉にかけて断っておかなきゃならない。
 今日描ききれなかった二コマでは、カット割りと視点のアングルをいじくってちょっとしたいたずらっぽい仕かけをほどこしたつもりの場面になっている。読んだ人が気づかなきゃ気づかないでいっこうにかまわない、無償のお遊戯にすぎないもの。ただし、遊ぶからには描いた本人の中だけのことでもちゃんと納得できるものにはしておきたい。うまくできなかったら、しょうがないって諦めるけども。