下書き10日目

 原稿的に進展なし(昨日残した9ページ目の最後の一コマを描いただけ)。
 アカーキイの新しいコートが出来上がるまでの過程を追う1ページを描くつもりだったんだけど、ネームの段階であまりにもやっつけで処理してしまっていたんで、あらためて仕立ての作業の実際をネットで調べなおしただけで終わり。しかし、この世界はちょっとやそっと調べただけじゃなんにもわからないってことがよくわかった。奥が深いよ。
 とりあえず衣服が出来上がるさいに前段階として作成される型紙(設計図)について知っておきたいなと思ってたんだけど、袖だとか身頃だとかいったパーツの絵を確認することはできても、それらの図を構成している線だとか角度だとかの有意味的に正しいありかたみたいなものがまったく把握できない。見よう見まねでそれらを「らしく」引き写すことはできても、見る人が見たら十中八九失笑ものの絵しかできあがらないだろうと思う。腹をくくって、フワーッといくしかない。
 調べている最中に、「文化式原型」という型紙の作り方(厳密には型紙のそのまたさらに型になるようなもの)があることを知ったんだけど、単純に絵として見るかぎりで、これがちょっとマンガのコマ割りを思わせる矩形の組み合わせになっていて、おもしろいと思った。それを生かして、ページ全体のデザインをこの文化式になぞらえるとおもしろいかもなとか考えたんだけど、まあ無理がでてきそうなんで諦めた。
 採寸→裁断→縫製っていうおおまかな仕立ての流れが立体物(身体・衣服)と平面(型紙・生地)との有機的なリレーから成り立っていることを教わって、そこらへんとマンガという紙をめぐる作業との並行性みたいなものにも気づかされて、そこもおもしろいとは思った。自分にはとうてい不可能だけど、マンガと裁縫にかんする充分な才能と知識を兼ね合わせた作家ならここから何がしかのイメージを作り上げることができるかもしれない。そういえば、高野文子の「黄色い本」の主人公はセーターを編む人だったね。
 明日は手を動かしたい。